60代の転職ノウハウ

役職定年・定年で大企業を離れた後の転職がうまくいかない理由

「企業内スキル」と「市場価値」の違いに気づいていますか?


「役職定年を迎えて、しばらくしたら再就職を考えようと思っていた」
「大企業でそれなりにポジションもあり、経験も積んだ。だから転職もスムーズにいくだろうと…」

しかし現実はそう甘くありません。
応募しても書類が通らない。面接に呼ばれても“ピンとこない”と言われる。
そんな声を、多くのシニア転職希望者から聞きます。

いったいなぜ、あれほどの実績を持っていた人が、転職市場で苦戦してしまうのか?
本記事では、その“落とし穴”を明らかにし、これからのキャリアに必要な視点をお伝えします。


❌ なぜ、転職先が決まらないのか?

答えはシンプルです。

「企業内でしか通用しないスキル」を積み上げてきたから


👔 企業内で評価される人材像は、市場で求められる人材と違う

大企業に長年勤めてきた方が、そこで認められたことは事実です。
社内調整、部門間の合意形成、会議体の回し方、稟議の通し方…。
いわば、「その会社でうまくやるためのスキル」=企業順応スキルです。

しかし、他社の人事が見るのは「社外でも通用する力があるか?」という一点。
・再現性があるか?
・新しい環境でも価値を出せるか?
・リーダーシップや専門性が見えるか?
ここを問われます。


🧩 企業順応スキル vs. 市場価値スキル

項目企業順応スキル市場価値スキル
評価者自社上司・役員転職市場・採用担当者
活躍の場所属企業限定どの会社でも活用可
社内調整、稟議運用、社内文化理解データ分析、提案力、マネジメントの再現性
求められる職種間接部門や管理職の補佐プレイングマネージャー、専門職

📉 「すごい人」のはずなのに、採用されない現実

大企業で部長だった人が、ベンチャー企業の面接で「即戦力にならない」と言われる。
これはよくある話です。

なぜなら、**求められているのは「肩書き」ではなく「自走できるスキル」**だから。

  • パワポが部下任せだった人
  • 新しいツールに抵抗感がある人
  • 企画提案が「誰かの承認前提」でしか考えられない人

こういった傾向は、「組織の歯車としては優秀だった」ことを示しますが、“これからの時代の雇われ方”とはズレています。


🧠 求められるのは「汎用的な問題解決力」と「自分の頭で考える力」

これから転職を考える人に必要なのは、
「会社に合わせる力」から「会社を選べる力」への転換です。

たとえば以下のような経験は、どんな会社でも通用する資産になり得ます:

  • ✔ 特定業界の課題を解決してきた知見
  • ✔ 顧客やクライアントと直接やりとりして成果を出した体験
  • ✔ チームを動かす中での育成・改善の仕組み
  • ✔ トラブルを乗り越えた具体的な工夫と結果

💡 転職市場で評価される「スキルの言語化」

面接では、「あなたのスキルは何ですか?」と聞かれます。
この時、「部長としてマネジメントしていました」だけでは弱い。

✅ どんな数値を改善したのか?
✅ 何を工夫してどんな成果を出したのか?
✅ それをどう他社でも再現できるのか?

ここまで説明できて、初めて**「市場価値がある人材」として見なされる**のです。


🛠 今からでもできる3つの準備

① 自分の“汎用スキル”を棚卸しする

・Excel、パワポなどのITツールは問題なく使えるか?
・言われたことを実行するだけでなく、提案・改善をしてきた実績はあるか?


② 小さなアウトプットを日常化する

・学んだことをブログやSNSに書いてみる
・オンライン講座で新しい知識に触れる(例:Udemy、Schoo、YouTube)

「インプット → 自分の言葉で表現する」習慣が、市場価値を高めてくれます。


③ 自分の強みを、外の視点で見てもらう

  • キャリアコーチ、転職エージェント、同業他社の知人などに
    「自分の経験、他社でも通用すると思いますか?」と聞いてみましょう。

主観ではなく、客観視がカギです。


💬 まとめ|会社を出た瞬間から「市場の目」で見られる

✅ 企業内で評価された実績が、そのまま市場で通用するとは限らない
✅ 大事なのは「どこでも通用するスキル」の言語化
✅ 今からでも“自分をアップデート”することはできる


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