「誰かの役に立てるかもしれない」から始まる発信
60代という年齢は、社会的なキャリアの一区切りを迎える方が多く、「現役を引退したから」と新しいことに躊躇しがちな時期でもあります。しかし、実はこの年代こそ「発信する力」を持っています。
40年以上にわたる人生経験、仕事での知見、人との付き合い方、失敗からの学び。こうした情報は、今を生きる若い世代にとってかけがえのないヒントになります。特に、ネット上では「本音で語られるリアルな体験談」が強く求められており、60代の発信は十分に価値あるものなのです。
たとえば、
- 退職後の生活設計
- 親の介護を経験して学んだこと
- 田舎暮らしや二拠点生活の実体験
- 昔ながらの家庭料理や知恵
- 孫との接し方や教育観の違い
これらは「自分にとっては当たり前」のことでも、誰かにとっては新鮮な視点であり、参考になる情報です。
情報発信=難しいものではない
発信といっても、何も難しい技術や大がかりな設備は必要ありません。
・スマートフォン1台で始めるブログ
・音声だけでOKのポッドキャスト
・写真付きで日常を綴るInstagram
・短い動画で思いを伝えるYouTube Shorts
今は、手軽に始められるツールがたくさんあります。しかも、完璧な文章や動画である必要はありません。「等身大の言葉」で、「自分の言葉」で綴ることが、共感を呼びます。
なぜ今、60代が“発信する側”に回るべきなのか?
かつては「情報は若い人が発信するもの」というイメージが強くありました。しかし、近年では「信頼性のある情報」を求めて、年齢層の高い発信者の言葉が注目されるようになっています。
SNSでは、「昭和レトロ」や「昔ながらの暮らし」「シンプルライフ」が再評価され、60代以上の方が発信する“知恵”や“価値観”が新鮮に映っているのです。
たとえば、こんなアカウントが人気を集めています:
・70代の夫婦が綴る田舎暮らしのブログ
・定年後に料理研究家になった男性のYouTube
・60代女性のファッションと生活のInstagram
・退職後に旅行記を発信する夫婦のX(旧Twitter)
つまり、「もう年だから発信なんて…」という考えは、今の時代には当てはまりません。むしろ、60代だからこそ響く言葉や世界観があるのです。
失敗してもいい、「続ける」ことが大事
「ブログを書いたけど誰も読んでくれない…」「動画を出しても再生回数が少ない…」そう落ち込む方もいるかもしれません。でも、それでいいのです。
最初から人気が出る人なんて、ほとんどいません。大切なのは、“自分の声を外に出すことに慣れる”こと、そして“続ける”こと。
続ける中で少しずつ
・自分に合った表現方法がわかる
・伝えたいことが明確になる
・読者や視聴者とのつながりが生まれる
こうした「小さな変化」が積み重なっていくのが、発信の楽しさであり、やりがいです。
まずは1行の日記から
いきなり大きなブログやYouTubeチャンネルを作らなくてもいいのです。まずは1日1行、自分の気持ちを書き出すところから始めてみてください。
「今日は庭の花が咲いて嬉しかった」
「スーパーで久しぶりに知人に会って立ち話」
「昔のアルバムを見て懐かしくなった」
こんなちょっとしたつぶやきが、やがて他の人の共感を呼ぶ“物語”に育っていきます。
発信とは「自分を見つめ直す旅」
60代の情報発信は、ただ誰かに伝えるだけでなく、自分自身を再発見する旅でもあります。
書くことで、話すことで、忘れていた自分の価値観や感情に気づくこともあるでしょう。「ああ、私はこういうことを大切にして生きてきたんだな」と、自分の歩みを肯定できるようになるのです。
最後に
60代からの発信は、「新たな出会い」と「自分への理解」をもたらしてくれます。SNSやブログ、動画といった手段を通して、あなたの人生の“語り部”になってみませんか?
誰かの役に立ちたいと思ったとき、あなたの経験がきっと光を放ちます。