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【60代の副業と年金】働きながら年金はもらえる?減額される?しくみと注意点をやさしく解説


「副業しても年金はちゃんともらえるの?」という不安

60代で副業を始めたり、定年後も働き続ける選択をした人にとって、
「年金って減らされる?損する?」という疑問はとても身近です。

  • 年金と収入、両方あると税金や保険料が増えるの?
  • 年金が“もらえない月”ってあるって聞いたけど本当?
  • 副業でちょっと稼ぐくらいなら影響ない?

この記事では、60代で副業をしながら年金を受け取る際の“仕組みと損しないコツをわかりやすくご紹介します。


【1】まず結論:副業していても、年金は基本的にもらえる

最初に結論からお伝えすると、
年金は「働いていても」「副業していても」基本的にはちゃんともらえます。

ただし、「厚生年金に加入しているかどうか」によって、受給額に影響が出るケースがあります。
その代表が「在職老齢年金」です。


【2】在職老齢年金ってなに?

在職老齢年金とは、60〜64歳、または65歳以上で厚生年金に加入して働いている人が対象になる制度です。

働いていて一定以上の収入があると、年金の一部または全部が“減額”される仕組みです。


▶ 減額される対象になる人(65歳未満と65歳以上で異なります)

年齢層月収(※)+年金月額の合計が…減額の可能性
60〜64歳28万円超えたら一部減額
65歳〜47万円超えたら一部減額

※「月収」には基本給だけでなく、残業代・通勤手当なども含まれます。


【3】副業の場合はどうなる?収入の種類で変わります

副業収入がすべて影響するわけではありません。
どの形態で副業をしているかが重要です。


▶ 【厚生年金ありの副業(雇用型・再雇用など)】

  • アルバイトやパートでも、週20時間以上・月収88,000円以上などの条件を満たすと厚生年金に加入
  • この場合「在職老齢年金」の計算対象になる可能性あり

65歳未満は28万円超、65歳以上は47万円超で減額対象に入るか確認を!


▶ 【厚生年金なしの副業(自営・業務委託・ブログ収入など)】

  • 個人事業や報酬ベースの副業、年金加入のない業務委託は対象外
  • 年金の減額には影響しない

自分で確定申告して税金を納める必要はあるが、年金減額には関係なし


【4】副業する人が年金で損しないための3つのポイント

① 年収が上がりすぎると「トータルで損」になる可能性も

  • たくさん働いた結果、年金が大きく減額される
  • 手元に残るお金は「年金なし+給料多め」より、「年金あり+給料控えめ」の方が多いことも

→ 収入バランスをよく確認することが重要です。


② 必ず「源泉徴収票」や「年金支給額通知書」をチェック

  • 年金が減額されているかどうかは通知でわかる
  • 年収が上がってきたら、年金事務所でシミュレーションを依頼するのも有効

③ 収入を“分散”する副業スタイルはおすすめ

  • 短時間の仕事を2つ掛け持つ
  • 業務委託や自営などで「厚生年金に入らない範囲」で働く
  • ブログや物販など、収入の波があっても柔軟なものを選ぶ

→ 目的は「がんばりすぎずに、収入と安心を両立すること」


まとめ|副業×年金=相性は悪くない。ポイントは「働き方の選び方」

60代で副業をしながら年金を受け取ることは、制度上も可能であり、むしろ安心材料になることもあります。

ただし、以下の点は押さえておきましょう:

  • 厚生年金に入っていると「在職老齢年金」で減額される可能性あり
  • 副業の収入形態によって、年金への影響が異なる
  • “稼ぎすぎずに安心を確保する”のがベストバランス

不安な方は、年金事務所で自分のケースを無料相談できるので、一度聞いてみるのもおすすめです。

副業で心にゆとりを、年金で暮らしに安心を——
その両立は、きっとできます。

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