「「持ちすぎているかも」と感じたら、それは人生のステージが変わる合図
60代を迎えると、不思議なことに心と暮らしの中に“重さ”を感じる瞬間が増えてきます。
家に物があふれていて、片づけても片づけてもどこかスッキリしない。
人間関係では、付き合いで断れないことが増え、気疲れしてしまう。
「まだ頑張らなきゃ」と思ってはいるけれど、どこか心がついてこない。
そんなときこそ、無理をして持ち続けるのではなく、
一度立ち止まって「何を手放していいのか」を考えるタイミングです。
大塚寿さんの『50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の上手な終わらせ方』には、
「やることを増やすより“やめること”を増やしたほうが、人生はずっと豊かになる」
というメッセージがあります。
「まだやらなきゃ」「まだ持っていなきゃ」と自分を縛っていたものを、
手放していいんです。
これからの人生をもっと軽やかに、自由に生きるために。
【1】モノを手放す:「捨てる」より「残す」で心が整う
60代からの片づけは、ただモノを減らす作業ではありません。
『50歳からは、「これ」しかやらない』の中でも語られているように、
人が年齢を重ねるほど「余計な荷物」が心身を縛りやすくなります。
まずは引き出しを1つ開けてみてください。
この1年で使わなかったもの、手に取らなかったもの、ありますか?
それは、あなたがこれからの人生で「なくてもいいもの」です。
自分の暮らしに本当に必要なものかを問い直すとき、
判断基準はシンプルでいいのです。
・使ったか、触れたか
・見るとホッとするか、気分が上がるか
大塚さんの本では、
「モノを捨てられない人は、過去の自分を抱えてしまっている」
と指摘しています。
だからこそ、「過去にありがとう」と言いながら、
「今の自分が好きでいられるものだけを残す」と考えてみてください。
譲る、売る、保管する。
全部を処分する必要はありません。
「お気に入りを選び残す」だけで、空間も心も不思議と軽くなるものです。
【2】役割を手放す:手放すことで“次の世代”とつながる
「役職を降りたら無責任だ」「頼まれたことは断ってはいけない」
そんな思い込みで、長年いろいろな役割を抱えてきませんでしたか?
地域の役員、町内会の係、親族の行事…
60代の方ほど、「自分がやらないと回らない」と責任感を背負いがちです。
でも、『50歳からは、「これ」しかやらない』のなかでは、
「やめることは逃げることではなく、次の人へ役割を渡すこと」と書かれています。
あなたが引き受けてきた役目は、すでに十分果たしてきたはずです。
だからこそ、今度は若い世代にチャンスをあげる時期。
・「今の自分にはできません」と伝えてもいい
・「手放す=無責任」ではなく「渡す=次の人に任せる」
そう考えたら、責任感の強い自分をちょっと褒めてあげたくなりませんか?
これからは「人のために無理をする」より、
「自分を大事にする時間を増やす」ことが、あなたの役割です。
【3】思い込みを手放す:60代は「新しい自分を試す」最高のタイミング
「もう年だから無理だろう」「今さら始めても遅い」
そう思うときほど、大塚さんは「実はそれが最大のチャンスだ」と言います。
60代は、
若い頃のように「こうしなきゃ」と誰かに縛られる必要はありません。
家族のため、社会のため、ではなく、
今度は“自分のため”に挑戦していい時期です。
例えば——
・新しい趣味を始める
・学び直す
・ちょっとしたバイトで人と繋がる
そんな一歩を踏み出した人の多くが、
「まだまだ自分にできることがあった!」と気づきます。
大塚さんも書籍で、「人生は加点方式ではなく減点方式。やめていくことで大事なものが際立つ」と伝えています。
だから、思い込みを手放せば手放すほど、
残った自分の“好き”や“やりたい”が見えてくるのです。
【4】人間関係を手放す:心のスペースを取り戻すために
本書でも特に響くのが「人間関係の断捨離」です。
長年の付き合いだから、相手を嫌いではないから、と
本当は無理しているのに続けている人間関係はありませんか?
・会うたびに気を使って疲れる人
・愚痴ばかりで前向きな話にならない人
・こちらの予定を考えずに誘ってくる人
もし1人でも心当たりがあれば、それは今のあなたには不要かもしれません。
「関係を切るなんて…」と思わなくて大丈夫。
会う頻度を減らす、距離を置く、返信を遅くする——
小さな「手放し」でも、心はぐっと楽になります。
✨ まとめ|スリム化は「自由に生きる力」
私自身、この本を読んで特に印象に残ったのは、
「やることを増やすより“やめること”を増やすことが大事」ということです。
余計なものが減ると、本当にやるべきことにコミットできる時間も増えていきます。
だからこそ、なるべく物事はスリム化したほうが良いと感じました。
あなたは今、何を手放して、何をスリム化できていますか?
暮らしも、心も、役割も、思い込みも、人間関係も。
スリム化することで、あなたの中に新しい余白が生まれます。
📚 書籍情報
この記事で参考にしたのは、
大塚寿 著『50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の上手な終わらせ方』です。