「今さら遅い」は思い込みです
「もう60代だから学び直すなんて…」
「若い人のように新しいことを覚えるのは無理かも」
そんな声をよく聞きます。
しかし、今こそ60代がリスキリング(学び直し)に踏み出す絶好のタイミングです。
人生100年時代といわれるいま、60代からの“学び”が働き方や生きがいを広げるきっかけになることが増えています。
この記事では、「なぜ今、60代が学び直しを始めているのか」「どんな分野が注目されているのか」「何から始めればいいのか」を分かりやすく解説します。
リスキリングとは?
「リスキリング(Reskilling)」とは、社会や仕事の変化に対応するために、新たなスキルや知識を習得することを指します。
単なるスキルアップや趣味の学習とは違い、
- 新しい働き方にチャレンジする
- 今あるスキルを時代に合わせてアップデートする
- 今後の生活設計を変える視点を得る
といった“人生後半の戦略的学び直し”の意味合いがあります。
なぜ今、60代にリスキリングが必要なのか?
理由1:定年後の働き方が多様化している
定年後の再雇用やパート勤務だけでなく、副業・業務委託・在宅ワークなどの選択肢が広がっています。
こうした柔軟な働き方には、ITツールやビジネススキルの基礎知識が必要になる場面も多く、学び直しによって“選べる働き方”が増えるのです。
理由2:テクノロジーの進化に置いていかれないため
デジタル化が進む中、パソコン操作・スマホ活用・クラウドサービスなど、生活にも仕事にも欠かせないツールが増えました。
学びを通して「使いこなせる」ようになれば、情報格差が縮まり、新たな役割や人間関係も生まれます。
理由3:学び直しが“心のハリ”を生む
学びは、単に知識を増やすだけでなく、「新しい目標」や「前向きな気持ち」を与えてくれます。
誰かと一緒に学ぶことで、人とのつながりも広がり、孤立の防止や生きがいづくりにもつながります。
60代におすすめのリスキリング分野
1.パソコン・ITスキル
- Word、Excel、PowerPointの基本操作
- メール、Zoom、Googleドライブなどの活用
- スマホやタブレットの活用術
特に「在宅ワーク」や「事務パート」を目指す方にとって、ITスキルは武器になります。
2.資格取得系
- 医療事務、宅建、簿記、FPなど
- 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
- 登録販売者
知識+証明書が得られるため、再就職の際に「形ある実績」として提示できます。
3.デジタル副業スキル
- ライティング(文章作成)
- ブログ・ホームページ運営
- 写真・動画編集(Canva、CapCutなど)
在宅で副収入を得たい人には、趣味から始めて収益化につながるスキルがおすすめです。
4.地域・コミュニティ活動向けスキル
- 認知症サポーター養成講座
- 防災士、ボランティア講師、講座運営など
「社会との関わりを持ち続けたい」方には、地域活動で役立つ知識・資格が選ばれています。
リスキリングを始める3ステップ
ステップ1:目的を明確にする
- 収入を増やしたいのか?
- 社会とつながりを持ちたいのか?
- 単に知的好奇心を満たしたいのか?
目的がはっきりすれば、学ぶ分野や教材も自然に絞れます。
ステップ2:無理のない方法を選ぶ
- 市区町村のシニア講座・生涯学習センター
- オンライン学習(YouTube、Udemy、Schooなど)
- 通信教育(ユーキャン、キャリカレなど)
自分のペース・関心・費用感に合わせた選択が続けるコツです。
ステップ3:身近な人と話してみる
「学んでどうしたいか」「どこまで頑張るか」を誰かに話すことで、継続意欲が高まります。
家族・友人・サークルの仲間でもよいので、「応援してくれる人」を1人でも持つことが重要です。
よくある不安とその乗り越え方
「覚えが悪くなった気がする…」
→ 若いときと違って“深く理解しながら学ぶ”ことが得意になっています。反復を恐れず、自分のペースでOKです。
「使えるかどうかわからない…」
→ 学びは“成果を出す”より“視野を広げる”ことが本質。何かに直結しなくても、未来の可能性を育てていると思ってください。
「家族に反対されそう…」
→ 目的と学習時間・費用を明確に伝えると納得されやすくなります。「家計にどう影響するか」まで話すと理解されやすいです。
まとめ|リスキリングは「人生の棚卸し」でもある
60代のリスキリングは、これまでの人生を振り返りながら、
「これからの自分に何ができるか」「どう生きたいか」を見つめ直す機会でもあります。
- 今まで避けていたことに一歩踏み出す
- 自分の可能性をもう一度信じてみる
- 社会とのつながりを再構築する
“学び直すこと”は、何歳からでも「新しい自分に出会う」手段なのです。