SESやITコンサルを目指すなら「クラウド・AI」の知識が武器になる
60歳の定年を迎えたITエンジニアの中には、
「まだまだ現役で働ける」
「これまでの経験を活かして新しい形で貢献したい」
と考える方が多くいます。
再就職先として選ばれることが多いのが、SES企業（システムエンジニアリングサービス）やITコンサルティングファームです。
しかし、大手SIer出身者であっても、転職市場に出た瞬間にぶつかる“あるギャップ”があります。
それが、クラウドやAIといった“今の技術”への対応力です。
本記事では、60代エンジニアが転職市場で武器にできるクラウド・AI知識の重要性と、学び直しの始め方を解説します。
なぜ大手SIer経験者が転職で苦戦するのか？
1．技術トレンドの変化に乗れていない
大手SIerでは長期プロジェクト・ウォーターフォール開発が多く、
- クラウド未導入のオンプレ環境
- レガシーシステムの保守・運用
- 顧客折衝やPM業務に特化
という体制が一般的でした。
この経験は非常に貴重ですが、今のSES・ITコンサル市場では“クラウドネイティブ”や“データドリブン”が標準です。
2．「開発実務から離れていた」ことによるスキルブランク
プロジェクトマネジメントや調整業務が長かった方ほど、
技術スタックが古いままになってしまい、
「設計・実装を任せられる人材」として見られにくくなる傾向があります。
今、求められるのは“クラウドとAI”の基礎力
転職市場でシニア人材に対して企業が求めているのは、
「若手と同じ技術用語で会話できるか」
「今の業務フローにフィットできるか」
という視点です。
以下のような知識があると、再就職時の評価が一気に変わります。
クラウドの基礎知識
- AWS・Azure・GCPなど主要クラウドの概要
- 仮想サーバ（EC2）／ストレージ（S3）／データベース（RDS）などの基本サービス
- オンプレからクラウドへの移行イメージ
- CI/CD・IaCなどの開発手法の概要
AI・データ活用の基礎知識
- 機械学習の全体像（教師あり・教師なしなど）
- Pythonを使ったデータ分析の基礎
- チャットボットや画像認識など、業務応用例
- DXにおけるAIの役割
これらを“構築できるレベル”までは求められなくても、概要を理解し、用語に抵抗なく会話できるだけで大きな武器になります。
60歳からクラウド・AIを学び直す方法
1．無料・低価格で始められるオンライン講座
- AWS Skill Builder（無料）
- GCP Fundamentals（Coursera）
- YouTubeでの入門動画（クラウドとは？AIとは？）
動画中心なので、抵抗感なく始められます。
2．中高年向けIT講座の活用
- ハローワークの職業訓練（クラウドやデータ分析講座あり）
- リカレント教育支援を行う大学・専門学校
「定年後の再就職支援」として、自治体や大学が提供しているものもあります。
3．簡単な実践を通じて“動かして覚える”
- Google ColabでPythonを試す
- AWSの無料枠を使ってEC2やS3を触ってみる
- AutoMLツールや生成AIを実際に使ってみる
「自分で操作してみた経験」が、面接での説得力に直結します。
転職活動時にアピールすべき3つの視点
1．“過去の実績”と“現在の知識”のつながりを示す
例：
「大規模システム開発経験 × クラウド環境での設計知識」
「業務知識の深さ × データ分析の応用力」
2．“教える側”ではなく“まだ学べる人”として見せる
シニアであっても、「学び続ける姿勢」が強く評価される時代です。
3．“チームに溶け込める人材”を印象づける
技術だけでなく、柔らかい言葉選び、協調性も重要です。
「現役エンジニアとのやりとりに違和感がない」と思わせられれば合格に近づきます。
まとめ｜“クラウドとAIの基礎理解”は、60歳以降の再就職に効く
大手SIerでの実績は、間違いなく強みです。
しかし、それを今の環境に合わせて再構成するためには、
- クラウド／AIの基本用語を理解する
- 時代に合った学びを取り入れる
- 会話ができるレベルの知識を持つ
ことが重要です。
60歳からの再スタートは、“知識のアップデート”という準備から始まります。
技術を学び直すことで、あなたの経験はさらに価値を増すでしょう。
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