「老後資金、やっぱり足りない気がする」——その不安はあなただけではありません
60代に入ると、働き方や収入が変化し、
これまで「なんとなく」だったお金の問題が、急に現実味を帯びてきます。
- 年金だけでやっていけるのか?
- 貯金はあるけど、減っていくのが怖い
- このまま子どもや家族に迷惑をかけずに暮らせる?
こうした声はとてもよく聞かれます。
でもご安心ください。
60代からは、“増やす”より“減らす不安”がカギです。
この記事では、お金の不安とどう向き合うか・どう和らげるかを、
決して難しい話ではなく、「暮らし目線」でお届けします。
【1】老後の“必要額”に振り回されない——数字に安心を奪われないために
「老後2000万円問題」「人生100年時代」
これらのワードに不安をあおられた方も多いかと思います。
でも、現実はもっとシンプルです。
▶ 実は、多くの人が「年金+少しの蓄え」で暮らしている
- 総務省の家計調査では、60代・70代夫婦の生活費は月25〜28万円
- うち年金でカバーできているのは約20万円
- 足りない部分は貯蓄や小さな収入で補っている
つまり「絶対に2,000万円がないと生活できない」わけではありません。
数字にとらわれず、“自分の暮らしに合った収支バランス”を考えることが大切です。
【2】お金の“見える化”で、不安はぐっと減らせる
不安の正体は、たいてい「見えていないこと」です。
▶ まずは“家計の棚卸し”をゆるくやってみる
- 生活費のざっくり項目(食費・光熱費・医療費・娯楽)を紙に書いてみる
- 固定費(スマホ代・保険・サブスク)で削れるものがないか見る
- 貯金から「1年にどれくらい使っているか」だけ記録してみる
「あれ?意外と使ってないな」と気づくことも多いです。
【3】増やすより“減らさない”考え方を大事にする
「投資しないと」「副業しないと」と焦る必要はありません。
60代以降は、“失わない工夫”がいちばんの節約です。
▶ 支出の「減らせる」3か所
- 通信費:格安スマホに切り替えるだけで月5,000円以上安くなることも
- 保険料:子育てが終わっていれば、見直しで年間数万円の削減に
- 趣味・娯楽費:図書館や公民館イベントなど“お金のかからない楽しみ”に目を向ける
“我慢”ではなく、“選び直す”ことで生活の質も上がることがあります。
【4】もしもの備えは「小さく具体的に」考えておく
“もし病気になったら?” “介護が必要になったら?”
そうした将来の不安には、「備えの最低ライン」だけを決めておくのが安心です。
▶ おすすめの考え方
- 医療費の急な出費 → 高額療養費制度+10〜30万円の手元預金
- 家の修繕・引越しなど → 100万円ほどの「自由資金枠」を確保
- 葬儀やお墓の費用 → 今のうちに見積もりを取り、意志を家族に伝えておく
不安をゼロにすることはできません。
でも「考えたことがある」だけで、心の準備は大きく変わります。
【5】“ちょっとした収入”が安心感につながることも
働き詰めになる必要はありませんが、
月1万円でも「自分で得たお金」があると、不思議と安心できるものです。
▶ 無理せずできる収入の例
- 家にあるものをフリマアプリで売る
- 地域イベントの単発手伝い(謝礼あり)
- 自分の得意を活かしてミニレッスン(編み物・スマホ講座など)
金額以上に「まだ役に立てる」という実感が、お金の不安を和らげてくれます。
まとめ|安心とは「自分の暮らしを自分で選べること」
60代のお金の不安は、
「足りない」のではなく、「見えていない」「整っていない」ことが原因であることが多いです。
だからこそ、
- ざっくりでいいから見える化する
- 増やすよりも“減らさない”工夫をする
- 小さく備えて、小さく稼ぐ道も知っておく
この3つだけでも、心のゆとりはぐっと大きくなります。
「お金のことで不安になりすぎず、自分のペースで暮らしたい」
そんな方に、この記事が少しでも役立てば嬉しいです。